2009年8月12日水曜日

(ダニエル書3:1-18)8月9日説教「たといそうでなくても」

ダニエル書は前6世紀のバビロン捕囚の物語である。ユダ王国の少年たちは捕囚の地で成長し、優れた能力を発揮してネブカドネツァル王に重用された。しかし大きな試練に直面する。金の像を拝まなければ、燃え盛る炉に投げ込まれるとの命令が出されたからである。この時、彼らは偶像崇拝を敢然と拒否した。ダニエル書は、神にこそ従うべきであることを主張した文書となっている。
ダニエルは実在の人物ではない。ダニエル書は400年昔の物語として、前2世紀に書かれた。当時はシリアが支配し、アンティオコス四世がユダヤ人の信仰を踏みにじり、大迫害を加えていた。ダニエル書は勇気と力と希望を持つように励ましている。
先の戦争で、日本のキリスト教界は、神ならぬ天皇を崇拝し、神社参拝を行った。殉教も辞さない姿勢はなかった。日本人にとって、確かに戦争は繰り返してはならないものである。それ以上に、日本のキリスト者にとって、戦時下の信仰的な過ちこそ繰り返してはならない。 山下慶親牧師