この数週間で、イエスによる「訣別説教(13:31-17:26)」を部分的に見てきたが、示された場面はその最後の「祈り」箇所である。
昇天日(復活の主がそのまま天に昇られた日/イースターから40日後/今年は5月13日)に近いこの時を迎えた私達に、「決別(お別れ)説教」はふさわしい聖書箇所と言える。
この説教を閉じるにあたっての祈りの中で、イエスは、ご自分の命を代価として支払ってまでも、全ての魂を、神に向けたい・神に立ち返らせたい、そして滅び行く魂に永遠の命を与えたいという思いをもって、「父よ、時が来ました。」「子に栄光を与えて下さい」と祈る。さらに弟子たちを(私達を)一つにするために祈る。
「わたしたちのように、彼らも一つとなるため」と。お互いに「あなた」と「私」としての個々別々の存在を失うことなく、「一つ」としての関係性の中に生きるということでる。私達の人間関係(つながり)に深い配慮を持って、イエスは祈る。ここに感謝と希望を持って歩む私達でありたい。 難波信義牧師