2009年3月26日木曜日

 (ヨハネ福音書11:17-27)「泣く力」 3月22日説教

パウロはローマの信徒への手紙(12章)の中で、「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい」と書き、他者への共感能力を持つことを問いかけている。
  イエスはベタニア村に住むマルタとマリアと親しかった。姉妹は兄弟ラザロが重病にかかった時、イエスのもとに遣いをやった。病気を癒してもらいたかったのである。しかし、イエスがベタニアに着いたのは、ラザロが墓に埋葬された4日後であった。
深い悲しみに沈んでいたマリアはイエスを見るなり、泣き出してしまう。慰めていたユダヤ人たちも泣いてしまう。この光景を見たイエスは心を揺さぶられる。ヨハネ福音書は「イエスは涙を流された」と短く記している。イエスは「泣く者と共に泣く」方であった。今は受難節。主イエスが十字架上で受けられた苦しみを思う時である。イエスの十字架を思い、イエスを失った悲しみに沈むマリアや弟子たちを思い、「共に泣く」ことによって、復活を「共に喜ぶ」こととなるイースターの朝を待ちたい 山下慶親牧師