イエスは弟子たちに、「からし種一粒ほどの信仰」もないと言われた。彼らが癒しの権能を授けられていたにもかかわらず(マタイ10:1)、病人を癒せなかったからである。日本におけるプロテスタント伝道150年の今年、新型インフルエンザが流行している。イエスは日本の伝道不振を嘆いて、からし種よりもはるかに小さな「ウィルス一つほどの信仰」もないと言われるかもしれない。
ウィルスには強力な増殖力と感染力がある。私たちの信仰には人々を生かす福音の増殖力と感染力が備わっているだろうか。江戸時代から明治初期、日本の権力者たちは、キリスト教が悪病であるかのように侵入を阻止しようとした。しかし福音は日本に入り、感染力を発揮して多くの人を新しい命へと導いた。
福音はウィルスと同じように人から人に伝わる。しかし病気や死に至らせるのではなく、喜びや命に至らせる。「からし種一粒ほどの信仰」を発揮して、歴代のキリスト者たちのように、山をも移す働きをなすことに加わっていきたい。 山下慶親牧師