2009年7月16日木曜日

(マルコ13:1-2; ヨハネ14:25-31)6月28日説教「何を残すか」    

 内村鑑三は1894年「後世への最大遺物」という講演で、後世に残したいものを挙げた。うち三つは金、事業、思想である。しかしそれらを残すには才覚、力量、能力が必要である。内村は四つ目として、誰でも残せる「最大遺物」があり、それは「勇ましい高尚なる生涯」だと言う。信仰者の生涯をしっかりと生きることが「最大遺物」だと言うのである。
マルコ福音書には、壮麗な神殿に感嘆する弟子たちに、イエスが建物の崩壊を預言した話が記されている。古来、権力者は権勢誇示のため巨大建造物を建ててきた。ヨハネ福音書では、イエスが弟子たちに平和を残すと言い、「心を騒がせるな」「おびえるな」と言われたことが書かれている。歴史で明白なことは、イエスが弟子たちの心に残したものが大帝国の遺物よりも堅固だったことである。
私たちは、キリスト者として、内村の言う「勇ましい高尚なる生涯」を送れるようでありたい。草葉町教会の現会堂は堅固である。しかし、それ以上に、イエス・キリストの言葉は堅固である。 山下慶親牧師