2009年7月16日木曜日

(Ⅱコリント13:11-13)7月5日説教「恩寵のもとで」 

同志社の神学生・辻密太郎は、1885年7月1日、熊本に向けて京都を出発した。9ヶ月の滞在で21名の受洗者が出て、教会の基礎が築かれた。しかし伝道は困難で、熊本英学校閉鎖後は教会の存亡さえ危うかった。教会創立百周年の記念誌を読むと、さまざまな困難があったことが分かる。財政以上に無牧期が大きな困難であったが、信徒の福田令寿さんや国宗晋さんが説教を担当して礼拝が継続された。
  三井久牧師赴任後、熊本バンド記念会堂を建築し、関係資料保存の計画が立てられた。1936年、会堂完成。しかし新会堂は熊本空襲で全焼、貴重な資料も失われた。7月1日は「創立」記念日であると同時に「焼失」記念日となっている。4年以上会堂がなかったが、礼拝は続けられた。教会を愛する人々の熱意があったこと、神の「恩寵のもとで」歩むことの意味を考えさせられる。  来年は創立125周年。百年以降の歴史も書き残すことが大事である。幾多の問題は今もあるが、主に信頼し、先達に続きたい。神の豊かな恩寵があることを祈る。 山下慶親牧師