イスラエルの民はエジプトで奴隷の重労働を強制されていた。神は彼らを解放へと導き、十戒は神の恩恵に対する応答として守るべき戒めとされた。
日本は軍国主義の支配から解放されて、平和憲法を持つに至った。長い試練を経た後に公布された点で、十戒と日本国憲法には共通点がある。私たちは、十戒の場合と同様に、憲法を大事にしていくことが求められている。
平和聖日にあたって、戦争の悲劇を繰り返さないためにも、戦争が十戒の各条項を破るものであることを再認識したい。戦時下では、神ならぬ天皇を現人神として、神社参拝と戦勝祈願が強制された。聖日礼拝は自由に行えず、徴兵制は親子の絆を断ち切った。日本軍は侵略した先々で無数の人を殺傷し、婦女子を暴行し、食糧や物資を盗み、資源獲得を狙った。国内では真実が言えず、報道は統制され、子どもたちには嘘が教えられた。
神ならぬものを神とせず、平和ならぬものを平和と呼ぶこととならないように、平和への思いを新たにしたい。 山下慶親牧師