2010年2月9日火曜日

「隣人の範囲」  (ルカによる福音書10:25-37)2月8日説教

先月の北国新聞に心暖まる記事があった。雪で動かない列車を降りて、ヒッチハイクで石川県輪島の航空高校受験に向かった女子中学生親子の話である。親切なトラック運転手が親子を乗せ、金沢に向かうのを変更して、受験開始に間に合うように送り届けたというのである。私たちキリスト者は「善いサマリア人のたとえ」を連想させられる。
 イエスは、律法学者が「隣人とはだれですか」と質問した時、たとえの話を語られた。祭司とレビ人は倒れている人を助けなかったが、サマリア人は手厚い介抱をして助けたというたとえである。律法学者の関心は「隣人の範囲」であった。しかしイエスはその問いに答えず、「隣人になる」ことの大切さを告げられた。
 「隣人となる」ことは、韓国併合百年となる日韓関係においても、大地震が発生したハイチに対しても、私たちの身近な人間関係においても大事な課題である。「善いサマリア人のたとえ」は、地球上のすべての人が「隣人の範囲」の中にいることを教えてくれている。 山下慶親牧師