2010年5月6日木曜日
「尊いかなめ石」(ペトロの手紙一2:1-10 )5月2日説教
この手紙は、小アジア(現在のトルコ)で「各地に離散して仮住まいをしている(1:1)」キリスト者に宛てて書かれたものである。各地にあって、伝統的・宗教的背景が強い中で、少数者として信仰を守っても、排他的な環境では、危険視されることもあり、そのために自らの信仰やアイデンティティが揺らぐキリスト者もいた。そんな中で、示された箇所は、今一度、しっかりとしたアイデンティティを持ち直すように勧める。そのためにまずイエスご自身を「尊い生きた石(4節)」「尊いかなめ石(6節)」「親石(7節)」だと言う。イエスは当時の社会・人々から見捨てられたが、神にとっては尊い生きた石であり、まさに希望の「かなめ」となった。さらにこれを前提としつつ、「あなたがた自身も生きた石として用いられ(5節)」ていると言う。神にとって尊い生きた石であるイエスを受け入れ、そのイエスを土台として、私達一人一人も、生きた石だと言うのだ。この自覚を新たにしつつ、用いられて生きる者でありたい。 難波信義牧師