2010年4月28日水曜日
「互いに愛し合う」(ヨハネ福音書13:31-35 )4月25日説教
「最後の晩餐」で、弟子たちの足を洗ったイエスは(13章冒頭)、その時、弟子たちに「決別説教」を語る。示された聖書は、その一部である。場面の流れを踏まえると、「イエスは、この世から父のもとへ移るご自分の時が来たことを悟り、世にいる弟子たちを…この上なく愛し抜かれた。(1節)」この愛を持ってイエスは弟子たちに最後の教えを語る。ここでは特に明確な「別れ」を意識しつつ(33節)、「互いに愛し合いなさい」との「新しい掟」を示す(34節)。弟子たちとの別れが決定的であるからこそ、イエスは愛を持って、弟子たちに「自立」を促す。「依存」を生み出すような「愛」は、本当の「愛」ではない。悲しみを乗り越えて自立へと向かわせるのが本当の「愛」なのだと、イエスは教えているのではないか。「互いに愛し合いなさい」とは、依存し合うのではなく、自立して・自立者として初めて「互いに愛し合う」事ができる。「仕えられる」事ではなく、「仕える」愛を実践する私達でありたい。 難波信義牧師