2010年1月4日月曜日

「苦難を負う救い主」(使徒言行録8:26-40)11月29日説教

ちょうど100年前のクリスマス・イブ、若き神学生・賀川豊彦は僅かの荷物を大八車に載せ、神戸新川のスラムに向かった。極貧の人々の中で生活するためである。賀川は労働運動、農民運動、協同組合運動、平和運動の先駆者として、戦前戦後の世界で最も名前を知られる日本人となる。大衆伝道者、ベストセラー作家、ノーベル賞候補者でもあった。しかし彼は何にもまして、人々の苦難を負おうとする愛の実践者であった。
  使徒言行録8章には、フィリポとエチオピアの高官の出会いが記されている。エルサレムから帰途についた高官は、馬車の中でイザヤ書の「苦難の僕」の箇所を朗読していた。そこに、霊に導かれたフィリポが追いついく。彼は「苦難の僕」が救い主イエスであることを説明する。高官は説明に納得して洗礼を受けた。
  初代教会以来、十字架の苦難を負われたイエスこそがキリスト者にとって救い主である。この信仰に立って、今年のクリスマスを厳粛な思いで迎え、賀川の献身百周年であることも憶えていたい。
山下慶親牧師