この説教は山下牧師、熊本滞在5年間の最後の説教です。
熊本草葉町教会で5年間働いたが、教勢は伸びなかった。「タラントンのたとえ」では、3人の僕(しもべ)が、主人の不在中、タラントンを預けられている。主人が戻ると、2人の僕は預けられた金額を倍にしたと報告する。3番目の僕は、タラントンを「地の中に隠して」いたと報告し、主人から厳しい処罰を受ける。
草葉町教会にはさまざまなタラントンが預けられている。私たちはそれらを生かして用いただろうか。私たちは何もしなかったのではない。しかし教勢衰退傾向の現実を無視することはできない。
もう1つの聖句では、実らないいちじくを切り倒せと言う主人に対して、園丁がもう1年待ってほしいと懇願する。園丁の胸中には来年こそ実が結ぶようにしたいという熱い思いがある。
少子高齢化の中、教勢の伸展は困難な課題である。働きの成果を出しにくい。しかし園丁のような気持ちになって、「もう一度試みる」ことを目指したい。そのことが、年度末の牧師交代にあたって問いかけられている。 山下慶親牧師