2010年6月23日水曜日

「自由に、誠実に」(使徒言行録16:16-34)6月20日説教

異邦人伝道を行っていたパウロ一行は、フィリピでトラブルに巻き込まれ、投獄されてしまう(16-24節)。「いちばん奥の牢(24節)」で、まさしく八方ふさがりの中で、パウロたちは、嘆くこともうめくこともなく、「賛美の歌をうたって神に祈っていた(25節)」と言う。

すると「突然、大地震が起こり…、牢の戸がみな開き…、囚人の鎖もはずれ(26節)」た。2週間前の場面(使徒4章31節)にもあったように、この現象は、神が、この賛美と祈りに応えて下さったというしるしである。人間を縛り付け、生きにくくさせるあらゆるしがらみから、神は解き放ってくださるのだ。この神の救いの御業を受けて、パウロたちは牢から逃げ出す事なく、そこにとどまった。他の囚人たちも同様であった。

神は人間を「自由に」はするが、その中で人間に「誠実」さを求めておられる、と言う事が示される。神の介入によって窮地は打開されるが、それだけではなく、そこに人間の誠実さが加わることによって、さらに多くの一人一人への救いが実現する。この広がりを神に信頼しつつ、自由に、誠実に歩む者でありたい。       難波信義牧師