創立記念にあたり、教会の歴史を受け継ぐ使命について、私たちの信仰の教科書である聖書を共に学びたい。聖書の読みは一様ではないが、自分にひきつけて、その歴史を飛び越えて自分に語りかけられている御言葉として読まなければ、何の意味もない。
特に大切なのは、言葉の仕組みに注意する事。聖書は「たとえ」という仕組みを使っている。「たとえを用いずに語ることはなかった(34節)」というほど、イエスは「多くのたとえで御言葉を語られた(33節)。」
イエスは、神の国は「たとえ」でしか説明できないもの、本気で心を開き、思いめぐらす人にだけ、分かるような秘密の性質があるのだと言われた。しかしなぜ秘密なのか…。からし種は大きく成長する(31-32節)。
神の愛の働きというものは、どんなに小さなきっかけであっても、受け止められさえすれば、とてつもない力を発揮する。このように受け止めた時、今度は私たちの人生の問題や経験が「たとえ」として働いて、神の国の秘密・神の愛の働きがハッと分かるようになる。 野本真也牧師(同志社理事長)