2010年8月19日木曜日

( マルコ9:33-37 )「仕える者に」7月25日説教

「いちばん先になりたい者は、すべての人の後になり、すべての人に仕える者になりなさい。(35節)」とのイエスの言葉が響く。思えば、一番先を行く者は、後ろを行く人々の姿が見えない。

一番であるが故に自分以外の誰も見えない。しかし一番後になる者は、先を行く全ての人を見る。時には先を行く人の愚かさや、苦しんでいる人・悲しんでいる人の全てを見る。

イエスはそのような「すべての人に仕える者になりなさい」と言われた。この「仕える者」とは給仕をする人の事を指す。この意味を踏まえつつ「仕える者」を考えるならば、それは、他者(隣人)に食事を提供し、その人の「命」や「生活」が生き生きと営まれるように仕える人であり、一人の人間を生かすために根底から支える人の事である。

実は、このように生きる事が出来る時、自分の存在の尊さにも気付かされ、それによって自分自身の「生」にもつながる。イエスからの「何を議論していたのか(33節)」すなわち「何を考えて(大切にして)生きようとするのか」との根本的な問いかけを常に覚えて歩む私たちでありたい。    難波信義牧師