2010年10月9日土曜日

(マルコ14:1-11)「できるかぎりのこと」9月12日説教

非常に高価な香油を、惜しまず全てイエスに注ぎかけた女性が登場する。周囲の人々は「もったいない」と彼女の行為をとがめ、不快感を示すが、イエスは彼女の行為を受け止める。「わたしに良いことをしてくれた(6節)」、「この人はできるかぎりのことをしてくれた(8節)」と。さらにイエスはここで「時を見分ける」事の大切さをも示された(7-9節)。特に前後の場面では、イエス殺害計画と(1-2節)、ユダの裏切りが記され(10-11節)、十字架の出来事へと急展開する。

この二つの場面の間に「香油注ぎ」の出来事がある。そこにおいてイエスは、彼女の行為を「埋葬の準備をしてくれた(8節)」と言われるのだ。死者への埋葬には香油を塗るからだ。しかし彼女は、そこまで考えてイエスに香油を注いだ訳ではない。もちろん高価な香油を注いだ行為は、中途半端なものではなく、イエスへの信仰と愛の現れだろう。このようなストレートな行為が自然と「神の時に適う」行為になっていた。私たちのまっすぐな思い・その行為に、神が「結果」を備えてくださるのだ。私の人生を支配し、時に適って導いてくださる神に信頼して「今」を誠実に生きる・「できるかぎりのことをした」と精一杯生きる私たちでありたい。  難波信義牧師