「天のみ民も、地にある者も、父・子・聖霊なる神をたたえよ。とこしえまでも。(讃美歌29番)」と歌う頌栄がある。既に召されて天に在る者も、そして今、地にある者も、共々に神を讃えよと言う。ここから示されるように、召天者は、今、神の御許にあって、神を仰ぎつつ讃えているのだ。と同時に、私たちも問われる。「地に在る私たちは、いつも神を仰いでいるだろうか」と。天に召された者が神を仰ぎ、地にいる私たちも神を仰ぐ…。
こうして神を中心に、天にある者も地にある私たちも一つにつながる。「信仰とは望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認すること(1節)」だとあるが、これを丁寧に訳し直すと、「信仰とは、もともと神によって私たちに与えられたものであり、私たちには見えないことですが、そこに確実に、神を中心として支配があるということを、しっかりと覚えることです。」となる。
神の支配の中で、私たちは常に招かれている。その招きは見えないが、天を仰ぐことによって、私たちはその事実を覚えることができる。神を中心とした支配の中に、私たちは置かれている。天にある者も地にある者も、神を中心にしてつながっているのだ。ここに慰めと希望を持って歩みたい。 難波牧師