2011年3月9日水曜日

(ルカ9:10-17)「あなたが彼らに」3月6日礼拝説教

一般に「五千人の給食」と呼ばれる場面。ルカ福音書は弟子たちの働きに注目しつつこの奇蹟を描く。つまり、注目すべきは「奇蹟」ではなく弟子たちなのだ。9章冒頭に報告されているように各地に派遣された弟子たちが今、戻ってきた。そして彼らは我先にと苦労自慢を始めた。らに、イエスを求める群衆が集まり、
対応に追われる中で、弟子たちは自らの役割を放棄し、群衆を解散させるよう、イエスに提案した。

イエスはこの2つの出来事を嘆いた。「遣わした先では福音を告げることができたはずなのに、先程は自分自身を述べ伝え、今も空腹や疲れから自分たちのことしか考えていない…」と。そこでイエスは、弟子たちを遣わした時の気持ちや力を思い出して欲しいという願いを込めて、弟子たちに問われる。「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」と。しかし,弟子たちの反応は、イエスの期待に添うものではなかった。

そこでイエスは「五千人の給食」の奇蹟によって弟子たちに示す。自分のことばかりに気を取られ、過去の業績にこだわる後ろ向きな生き方ではなく、どんな小さな事・些細な事・わずかな物であっても、神に信頼しつつ、今出来ることを、名前向きにやってみなさい、と。用いられる喜びに生きる者でありたい。難波信義牧師