2012年12月13日木曜日


「しかし、わたしは」(マタイ 5:38-42)11月18日説教要旨 

教会に行ったことがない人でも知っているほど有名なイエスの言葉・その箇所である。「目には目を、歯には歯を」というのが、律法による常識であった(レビ24:20)。しかしイエスはここで、「悪人
に手向かうな」と教える。さらにこの事を、4つの状況設定から説明する。

①誰かが右の頬を打つなら、左の頬をも向けよ。 ②下着を取ろうとする者には上着をも取らせよ。
③1ミリオン行くよう強いるなら、一緒に2ミリオン行け。 ④求める者には、背を向けず、与えよ。
これは決して「譬え話」ではなく、実際にそうしなさいと言う教えである。私たちには実行不可能と思える教えであり、そもそもこの教えの通りにすることが、本当に正しいことなのか・悪や不正義を
はびこらせるだけなのではないか、とさえ考えてしまう。

このイエスの言葉があまりにも強烈で、一人歩きしているようにも思うが、この箇所の表題には「復讐してはならない」とある。これがこの箇所のポイントである。「あなたのしようとしている復讐の、その先に、一体誰が犠牲になるのか。そのことをよく考えなさい。あなた以上に、苦しむ人がいるのだから」と、復讐の連鎖・その現実の恐ろしさを断ち切るために、イエスは教えている。
難波信義牧師