7月20日の説教要旨
「悪いパン種に気をつけよ」
(マルコ8:14-21) 難波信義牧師
「ファリサイ派の人々のパン種とヘロ
デのパン種によく気をつけなさい」(15
節)とイエスは言われた。
ファリサイ派は宗教的な人々の代表格
であり、信仰熱心な人々である。彼らは
一生懸命に戒律を守るが、裏を返せば、
「とにかく形式的にでもちゃんと義務を
果たして、それで神さまから良いものを
いただこう」と、神との取引をしている。
ヘロデ派は、ヘロデを支持する政治的
なグループであり、ヘロデの権力の恩恵
に与っている人たちである。神さまの事
を考えず、この世の権力や人間の持って
いるものに重きを置いている。
一見、相反する二つのグループだが、
共通点がある。それは「人間の方向にし
か目が向いていない」という事である。
ファリサイ派は「人間の行い」が気にな
る。それによって神の賜物が変わってし
まうと思っているから。ヘロデ派は「人
間の持っているもの」が気になる。つま
りどちらも、神の方を向いているのでは
なく、人間の方を向いているのだ。イエ
スはその事を指摘するために「気をつけ
なさい」と言われたのだ。
さらに、それまでの圧倒的な神の恵み
の豊かさに目を向けさながら(19-20節)、
「あなたたちは、既にそのような神の恵み
の中にいる。その事に気付きなさい」と
示される。