7月13日の説教要旨
「神の支配・人間の支配」
(マルコ6:14-29) 難波信義牧師
ヘロデはヨハネを牢につないでいたが、
「ヨハネは正しい聖なる人であることを知
って、彼を恐れ、保護し、また、その教
えを聞いて非常に当惑しながらも、なお
喜んで耳を傾けていた(20節)」。しかし
ヘロデは、結局ヨハネを殺すことになる。
しかも自分の誕生日の祝いの席で、「王は
非常に心を痛めたが、誓ったことではあ
るし、また客の手前、少女の願いを退け
たくなかった(26節)」ために、ヨハネ
を処刑した。ヘロデは、ヨハネを正しい
と知り、ヨハネの語る神の言葉に耳を傾
けていながら、自分の立場を守るため、
周囲の人々の関係の中で面目を保つため
に、ヨハネを、すなわち「神の言葉」を
殺したのだ。神を恐れるよりも、人を恐
れ、その人間の支配の中で、いとも簡単
に「神の言葉」を殺したのだ。
しかし聖書は、この出来事を基点とし
た前後に、神の支配が豊かに広がってい
った事を報告している。前後の場面に、
イエスによる弟子たちの派遣と、帰還し
た弟子たちの報告の場面がある。このよ
うに、人間の支配が取り囲んでしまって
いるように思える状況の中で、神の支配
がその全てを包んでいる、その恵みが、
豊かに示されている。神の支配に気付き
ながら、感謝して歩む私たちでありたい