9月14日 の 礼拝説 教 要 旨
「神の国から遠くない」
(マルコ12:28-34) 難波信義牧師
イエスは重要な掟について、まず「あ
なたの神である主を愛しなさい」と、申
命記6章5節を引用した。そもそもこれ
は、イスラエルが荒れ野の40年を経て、
ようやく神の約束された土地に入ろうと
している、その直前に語られた神の言葉
であるが、この時、神は「あなたたちは、
エジプトの国を出た日から、ここに来る
まで、主に背き続けてきた(申9:7)」と
言われた。この言葉と共に「あなたの神
である主を愛せ」と言われたのである。
つまりこの命令は強制的なものではなく、
主に背き続けた人間を、なおも赦して受
け入れようとする神の愛に基づいた「招
き」なのである。
イエスは続けて、第二の掟として「隣
人を自分のように愛しなさい」と、レビ
記19章18節の言葉を引用した。イエ
スはこのように語りながら、問いかけて
きたこの律法学者を、自分を愛するよう
に愛される。しかし当の本人は、このイ
エスの愛に気付いていない。だからイエ
スは、同じ思いを持ち、同調した彼を評
価しつつも「神の国から遠くない」と言
われたのだ。「わたしの愛に気付きなさい」
「十字架による神の赦しと恵みそのもので
ある、わたしの愛に気付きなさい」と招
いてくださっている。