11月9日の日曜礼拝 説 教 要 旨
「あなたと共にいる」
(出エジプト3:7-15)
難波信義牧師
「モーセの召命」と呼ばれる場面。神
は、奴隷のように扱われていたイスラエ
ル人をエジプトから解放するために、モ
ーセを遣わそうとされる。神は、私たち
人間の苦しみに目を留めてくださる方で
ある。どこか遠く・高い所におられるの
ではなく、私たちの生きる現場・その歴
史・その現実にまで降って来てくださる
のである。(7-8節)そして御業の実現の
ために人間を用いる。
ところがモーセは神の言葉に対して難
色を示す。もっとも、モーセはエジプト
からの逃亡者として外国で暮らしている
身であり、そこで家庭を作り平和に暮ら
していた。歳を重ね、同胞を解放しよう
などと言う情熱も失っていた。だから
「わたしは何者でしょう」と神に問うた。
しかし神にとって、モーセが何者なの
か(つまりどういう状況であるか)は問
題では無い。その問いを無視して「わた
しは必ずあなたと共にいる(12節)」と
言われる。神は遣わす者・用いる者と共
にいる。
この事実だけが、人間を導くのである。
そしてこの約束は、今を生きる私たちに
も示される。私たちの生のきる場こそが、
遣わされた場である。そのために私たち
一人一人に言われる。「共にいる」と。