2月15日の 日曜礼拝説 教 要 旨
「弟子たちに渡して」
(ルカ9:10-17)
難波信義牧師
「五千人に食べ物を与える」という非
常に有名な場面である。全ての福音書が
この出来事を記録しているが、それはこ
の奇蹟がすごかったからではなく、弟子
たちにとって忘れられない出来事だった
からである。弟子たちは、自分の本分を
確認させられ、それによってこそ神の恵
みが豊に現れる事を体験した。すなわち、
自分たちはただ、キリストから受けて運
ぶだけの存在であり、そこにこそキリス
トの豊かさが満ちあふれる、という事を
体験した出来事だった。
9章冒頭で、弟子たちはイエスによっ
て、何一つ持たずに、派遣され、「至ると
ころで福音を告げ知らせ、病気をいやし
た。(6節)」その彼らが今「帰って来て、
自分たちの行ったことをみなイエスに告
げた。(10節)」弟子たちは派遣の主の力
を忘れ、自分の業績として、その働きの
全てをイエスに報告したのである。
そこでイエスは、タイミングを見計ら
って「、あなたがたが彼らに食べ物を与え
なさい(13節)」と言われた。「自力で何
でも出来ると思っているのなら、この現
実の問題も、あなたがたが解決しなさい」
と厳しく語りながらも「、自分の持ってい
るもので人々を助けたのではない「」恵み
の神が、あなたたちを通して働かれたの
だ」という大切な事を伝えたのである。